令和8年度は、属性や活動分野が異なる様々な人・団体が「孤独・孤立対策」というテーマでつながることを目的として、県内3会場で「地域連携ワークショップ」を開催予定です。
10月13日(火)に焼津市にて「頼れる身寄りのない方」への支援を考えるワークショップを開催しました。

山田教授からは、認知機能低下を指摘されてから病院に係る割合の低さや、さらに認知症と診断を受ける割合の低さについての問題提起から、いつか起こるかもしれない認知機能低下に備えた「60歳からのチーム作り」が重要になっているという視点でお話をいただきました。

駒村教授からは、「BRIDGE金融包摂」(認知機能が低下しても生涯にわたって自立的な経済活動ができる包摂的な地域社会及び社会経済システム構築)という取組をもとに、経済活動の視点から、認知症になる前段階の現行制度では支援策が不十分な部分にアプローチをしていく必要があるというお話をいただきました。

尾川講師からは、共生社会の実現に向けた「福祉×金融の連携」という視点から、認知機能の低下した高齢者等を福祉的にも経済的にも孤立させないための見守りシステムの連携スキームを構築し、継続的な生活支援や意思決定支援を実現する仕組みが求められるというお話をいただきました。

グループワークでは、頼れる身内がおらず孤立してしまう方が、本人や周囲、地域、支援・サービスの現場でどのような困りごとが起きているか、起きると思われるかについて6つの場面を想定して議論を行いました。
参加者は地域包括支援センターをはじめとした福祉関係者や、金融、警察、司法書士、自治会など、様々なお立場から困った場面と支援策について活発な意見が飛び交いました。
お金の契約、医療の同意、住まいの確保、亡くなられた後のこと――話題は多岐にわたりましたが、どの困りごとにも共通していたのは、「代わりに考え、そばで支えてくれる人がいない」ということでした。
印象的だったのは、手助けを得にくい一人暮らしの男性が4人に1人にのぼること、そしてお子さんがいても「迷惑をかけたくない」という思いから困りごとを抱え込んでしまう方が多いというお話です。孤立は、ひとり暮らしかどうかだけでは見えてこないのだと改めて感じました。
また、「身寄りがないことや物忘れそのものが問題なのではなく、それを支えきれない社会の仕組みの方に課題がある」という言葉には、参加者一同が深くうなずきました。一方で、個人情報の共有の難しさや、住まいと福祉の担当部署がうまくつながれていない現状など、支え合いを妨げている壁もはっきりと見え非常に有意義な時間となりました。。

静岡県孤独・孤立対策プラットフォームでは、引き続き、多様な主体がそれぞれの得意分野を生かしながら協働するきっかけづくりを企画してまいります。